「ひくっ!」

それは突然おこるもの。

「どうしたの?リキ」

「ふえ〜…理樹〜…ひっく!どうしよう…っく!しゃっくりが〜…ひくっ!とまらないよお〜」

「ええっ?!」

 

びっくり?どっきり!もう○○は止まらない?!

 

文化祭当日のこと。

何の前触れもなく、いきなりリキのしゃっくりがとまらなくなってしまったのだ。

よりにもよって、これから出番というときに限ってだ。

僕たちのクラスの出し物は喫茶店で、お店の方は交代制で見ることになっていた。

そんな矢先にリキがこんな事態になるなんて…。

「なるほどな…それは大変なことではないか」

「そうなんだよ。来ヶ谷さん…さっきまで思いつく限りのしゃっくりを止める方法はやってみたんだけど、リキのしゃっくりしつこくてさ」

困り果てていたところへ偶然、来ヶ谷さんに出会い、すぐさまいい解決法がないか聞いてみる。

「やっぱり…ひっく!理樹にっく!代わりをやってもらうしか…ひくっ!」

「まあ、たしかに妥当な意見では--」

「いやいやいや!それは無理だから!だって、僕も同じ時間帯で参加するんだからさ」

「ああ、そうだったな。2人は同じ班だったな。だが、入れ替われば問題ないだろう。どちらにしても理樹くんは裏方担当。直枝女史がフロア担当なんだからな」

「賛成〜っひっく!」

「いやいやいや!反対だから!絶対危険すぎる!!すぐにバレるよ!バレたら僕の立場が…最悪、登校拒否するからね!」

「う〜む。困ったところだな」

困ったとかいいながら、どう考えても口の端が緩んでますけど来ヶ谷さん。

本当に困ってるんだろうか?この人。

むしろ楽しんでるとしかいえないような…。

僕が疑わしい目で見つめていると、そこへ鈴がひょこっと顔を覗かせ一言。

「きょーすけが来た」

「「ええっ?!」ひっく!」

「よっ!もう少ししたらおまえたちが出るって鈴から聞いてな。様子見に来たんだ…って、どうしたんだ?リキの奴」

「それが困ったことにしゃっくりがとまらなくなってしまったそうだ」

「そうか」

いやいやいや!そうかじゃないでしょ!何をのんきに構えてるのさ!2人して。

リキはずっとしゃっくりし続けてるし、交代の時間は刻一刻と近づいてるし、もしこのままリキのしゃっくりがとまらなかったら、やっぱり---。

「やはり、最悪2人が入れ替わって仕事をするしかないだろうな」

不適な笑みを浮かべていわないでよ!来ヶ谷さん。

半分涙目のリキとは違う意味でこっちも泣きそうになりながら、恭介に無言で助けを求める視線を送る。

恭介はそれに気づいたようで、しばらくすると頭を掻きながら「仕方ないな。理樹が公の場で女装させられるのもかわいそうだし」と半分、おかしそうに笑いながらも、1つのミッションを口にしたのであった。

「よし!じゃあ、これからリキのしゃっくり止めミッションスタートでもいくか!」

交代の時間まで後30分を残して、僕とリキ、そして恭介となぜかついてきた来ヶ谷さんと鈴を連れて、僕の女装をかけたミッションはスタートした。

 

-続く-