| ミニフロ〜その5 拓也♀視点で。 ちなみにリトバスキャラを混ぜ込んでみた。(知らなくても問題ない範囲で出てます) この人を先生にしたら、ただの席替えが席替えでなくなったので長いです…
:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+ 席替え 「今日は席替えするからな〜」 それはそれはずいぶんと急なことで。 俺は心の中で(またはじまったよ)と思った。 ウチのクラスの担任である”棗恭介”先生は、他の先生と違って時折、口癖のように「ミッション」という言葉を使い、生徒たちに無理難題を押しつけることがある。 今回はきわめてまともに席替えをしよう!だからいいけど。 しかし、棗先生の教卓に乗せてあるあの筒は何なんだろうな? 俺が興味津々に見ていれば、他の奴らもやっぱり気になるらしく、互いにぼそぼそと呟きあっているようだ。 泉も振り返り、「またゲームつきだったりして」と呆れた様子で囁いてきた。 「じゃあ、早速はじめるとするか。おまえら、これを一本ずつひいていけよ」 パカッと筒の箱を開けると、そこには割り箸が入っていた。 「おまえたちから見て右が男。左が女が引くくじな。分かったら、廊下側から男子。窓際から女子の列出てきて順番に引いていけよ」 棗先生の合図で、ガタガタと椅子を引く音が聞こえ、みんな順々にくじを引いていく。 「私たちは最後の方になっちゃうわね」 ちょうど俺たちの友達の1人、夢がくじを引いたところだった。 席に戻る前にこっそりと俺たちの方へ歩み寄ってきて、「1」と箸の太い面に書かれた文字を自慢げに振りながら小声で話しかけてきた。 「私、1番だから最初に好きな席決めていいってことだよね?きっと」 「そうかなあ、私が思うには席順の1番って感じっぽそうだけどな」 「ええ〜!だったら一番前になっちゃうじゃない。だったらヤダなあ」 ガックリと肩を落とす夢。 俺たちが席順の決め方は夢説か泉説どっちが正しいんだろうと話し合っているうちに、とうとう順番が端っこ同士になった。 「あっ由宇ちゃんの番みたい。私も戻らなくちゃ!」 「それじゃあ私たちもいきましょうか」 「そうだな」 俺は泉に続いて席を立った。 「よし、女子は神原で最後みたいだな。ほいっ」 棗先生から残った最後の一本を貰って自分の席へと戻る。 男子の方も最後の1人が終わったようだ。 「じゃあ、席替えをはじめるぞ。とりあえずみんな机の中空っぽにして、荷物持って、さっさと廊下へでたでた」 みんな言われたとおりに机の中の教科書、鞄を持ってぞろぞろと外へと出て行く。 最後に棗先生が外へでて、いったん教室の扉はぴしゃりと閉められた。 「みんな、くじは持ってるよな。よし!じゃあ、これから席取りゲームをはじめる」 (やっぱり、普通の席替えじゃないんだ) 棗先生の言葉に、半分は呆れ顔、半分は愉快そうな顔をしながらガヤつく。 泉と輝二は呆れた様子だったけど、俺はけっこうこういうゲーム感覚好きだなと思ってる。 「まずは普通に1番を持った男女から1人ずつ好きな席を決めてもらう」 その言葉に「やったあ」と小声で呟いたのは夢だ。 隣に立つ、仙太郎に自慢げにまた1番のくじを振っている姿が見える。 「当然、最後の番号を持ってる奴ほど、希望の席を確保するのは難しくなる。そこでだ、もし自分が希望する席をすでにとられていた場合」 棗先生はズボンのポケットから一組のトランプを引っ張り出してみせる。 「俺のとこへ来い。そしてこのトランプのカードを互いに1枚ずつ引き、そのカードの数字の大きい方を勝ちとし、希望の席につくことを許可する。ちなみにAのカードが最強な。後、同数のを互いに引いた場合は---」 棗先生がバトルの説明をしている中、泉が俺と輝二の間から顔を覗かせ「やっぱり2人はお隣同士希望なの?」とにやついて聞いてきた。 「…まあ、争うのが嫌だって奴は空いてる席におとなしく座ればいいだけの話だが---」 「とりあえず、私の番号は真ん中辺りだったから、前の方の席とかじゃなければどこでもいいかなあって感じかな?できたら拓也とか夢、由宇と席近いといいんだけど」 「まあ、たしかに近ければ同じ班になるよな。放課後の掃除当番とかも一緒になるし」 「そうなると、バトルは避けられそうにもないよな。おまえたちは」 「あら、輝二はどこでもいいの?」 「俺か。俺は男子側で5番目だから好きな場所選べるからな。申し出さえなければ好きな場所に最後まで座っていられる」 「なるほどね〜。…で、拓也は」 泉が俺の持ち番号を聞こうとしたときだった。 「こら〜。おまえら、俺の話聞いてるか?ちゃんと聞いてないと、おまえらが隣同士の席になっても教師の特権で引き離すぞ。とくに神原と源〜。せっかく好きなもの同士が隣り合わせになりやすいチャンス作ってやってんだから、ちゃんと聞け」 「んなっ?!せっ先生!!ちょっとそれどういう意味だよ!」 いたずらっぽい笑みを浮かべ、棗先生は「だっておまえら付き合ってんじゃないのか?」とか言い出すし。 「つっ付き合ってなんかねえよ!」 輝二は否定する気まるでないし、泉は泉で愉快そうに一歩下がって、由宇の隣に戻ると一緒になってクスクス笑いだす始末。 唯一、全否定の俺を残し、席替え本番。 1番くじの夢と男子の1番を引いた宮沢が中へと入っていく。 「じゃあ、次2番持ってる奴な〜」 先生は入り口付近で、生徒がそれぞれ気に入った席に座ったところを確認してから、次の番号を順々に呼んでいく。 「さすがにまだ席取りバトルはないな。よし、次は5番の奴な」 輝二が中へ入ると、夢の奴が「輝二くん、こっちこっち」と呼んでる声が聞こえてきた。 それに輝二が答えたかどうかはここからじゃ見えないけど。 その後も次々と番号を呼ばれては中に入り、中ほどまでにきて、ようやく最初の席取りゲームの宣告が入ったようだ。 「おっまずは男子側だな」 先生は楽しそうに教室へと飛び込む。 まだ呼ばれてない俺と泉をはじめとする奴らが揃って後を追うも「はい、まだの奴らは中には入れませんよっと」 眼前で閉められた。 「次は私なのよね〜。拓也は?」 「俺は最後から2番目」 「そっか。じゃあ、なおさら私たち、たぶんバトルしないといい席とれないかもね。さっき、チラッと中の様子見えたんだけど、やっぱり予想どおり。みんな視力の悪い子以外は前の席避けてる。とくに真ん中は誰もいなかったくらい」 「そっか」 「ちなみに夢たちは窓際に集まっていたわ。でも、あの辺りの女子席はたぶん、すでにとられてるわね。一緒の班に入りたいならバトルかな?」 「そっか」 それにしても泉の奴、あの一瞬でよくアイツら見つけたよな。まあ、夢がどうせ泉に向かって手でも振ってたとこなんだろうけどさ。 「ほい、お待たせ。じゃあ次は…」 「はあい!織本泉いっきま〜す!ついでにバトル宣告します!」 「おっ早いな。織本。やる気満々だな」 「当然ですよ。それで場所は窓際女子列の---」 ドアが閉まり、泉が指定した席の女子との席取りゲームをしてるらしき声が微かに聞こえてくる。 「やったあ〜!!」 泉が大はしゃぎする声が聞こえてくる。 どうやら勝ったらしい。 「じゃあ、次の奴な」 ガラリと戸を開け、先生は「次!」と呼び出した。 そこでやはりまた席取りバトル。今度は男女同時らしくて、先生はまた教室へと戻っていった。 そんなやりとりがその後も数回続き、廊下に残る生徒は男女合わせて残り後4人にまで減っていた。 「やだあ…私緊張してきちゃった。神原さんはやっぱりいい席なかったらバトルするの?源くんの隣とかもう女子の誰かが取ってそうだしね」 「だから、輝二は関係ないってば!」 「あっでも、俺さっきチラッと窓際の方見たけど、女子側一箇所だけ空いてたぜ」 「え?そうなのか?」 「たしか源の隣…席も最後尾だし、場所的にもいいのにな。なんでかしんねーけど、みんな遠慮してるっぽい感じだったな」 「まあ、ある意味そうなっちゃうんじゃね?なんてたって、女子にバカモテの源の隣だしさ。嫉妬に燃える女子がこえ〜こえ〜」 「それ以前の問題だと私は思うなあ。だって源くんの隣なんて緊張しちゃってダメダメ!」 「そういえば、さくらは出席番号並びだったとき、輝二の隣だったんだっけ?」 「うん。でも、神原さんみたいには無理〜!まだ木村くんの方が話しやすい印象あるよね」 などと、待ち時間のおしゃべりをしていると、再びドアがガラリと開けられ、いよいよ俺の番が回ってきた。 「良かったなあ。神原。おまえの特等席空いてるぞ」 「はい?」 俺が中へと入っていくと、棗先生はにやつきながら、窓際の後ろの席を指差した。 たしかに冥利が言ってた通りだった。 輝二の隣はしっかりと空いている。 ちなみに斜め前には泉。 その前には夢、由宇と並んでいて、夢の奴が、大げさに俺に向かって手を振っていた。 「拓ちゃん、こっち〜!輝二くんの隣空いてるよ〜!」 「……(うっみんなの視線が)」 「さあて、神原。どうする?残っている席は後2つ。どっちもおまえにとっては特等席だぞ〜。先生の前か、源のお隣さんか。好きなほうを選べ」 ほぼ全生徒の目が俺へと集まっている。 輝二が勝ち誇った笑みで、軽く手招きしているのが目に入った。 「じゃあ…先生の……前は嫌だから後ろの席にします」 敢えて『前は嫌』を強調してから、輝二の隣へと腰を下ろす。 「よし、じゃあ最後の2人入っていいぞ〜。もちろん、バトルしたけりゃしていいぞ」 最後の2人もそれぞれ前の席は嫌だとばかりに、適当にいい席を選んでバトルで席順を決め、敗者はおとなしく先生の前。勝者は希望の席へと着き、無事席替えは終わった。 こうして、俺は後ろから二番目というくじ運の悪さにも関わらず、窓際席後ろという好位置を争うことなく手にいれることができたわけなんだけど…輝二つきで。 明日から、毎日アイツが隣にいるなんて心臓に悪いと思う。 ちらりと視線を横に向ければ、輝二と目が合って、笑顔で返されでもしたら、その瞬間、俺は耳まで真っ赤になってしまう。 こんな状態でいつまでもつかな?俺…。 終わり 輝二さんを意識しすぎている拓也さんにしてみた。 棗「先輩」を「先生」にして登場させたら、ただの席替えが長くなってしまったという。 ちなみに文中で名前のでる生徒の一部は、自身の二次創作小説(別所)のオリキャラ名だったりします。 もう、これミニフロじゃないよね?ってくらい長くなってすみません… |