フライングホワイトデーということで一拓♀チュウ+おまけに二拓♀もチュウしてる。

つまりは双拓♀?

今回はにょ拓視点です。

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不意打ちはずるいですか?

 

明日は小テストだなんて、急に言われたのは5時間目の数学の授業の終わりのときだった。

当然のようにクラス中がブーイングの嵐。

しかし、先生はそんなのおもいっきり無視して「明日決行」とハッキリと言い切り、「赤点取った奴は日曜補習な」なんて嫌味な笑みまでおいてきやがった。

チャイムが鳴り、授業終了。

先生が教室を出て行った途端に、前の席に座っていた泉が振り向き俺に話しかけてきた。

「いちおう出る範囲は教えてくれたし、何とかなりそうね」

だと。

いいよなあ。頭いい奴はさあ…

「泉はそれでいいけど、俺は無理!きっと補習だあ〜…」

基本勉強全般は苦手だけど、とくに数学は公式とかそういうのとか、全然頭に入ってこなくて本当にワケわかんないんだよな。

正直、ここ受かったこと自体が俺としては奇跡だったんですけど。

机に突っ伏し、すでに明日のテストは捨てる覚悟満々の俺に、泉が「仕方ないわね」と言いかけたときだった。

泉よりも先に「じゃあ、教えてあげようか?」と頭上から響いたのは輝一の声。

笑顔で俺の真横に屈みこみながら「いかがですか?お嬢様」と、冗談を混ぜて俺の顔を覗き込んでくる。

泉は何か言おうと開きかけていた口を閉じ、「良かったわね。拓也」とだけ言って、友達のところへ行ってしまった。

なぜだろ?俺が輝一と仲良くしてると決まって泉は俺から離れていくんだよな。

などと疑問に思っていると輝一が「拓也?」と俺を呼んでいる声がして、慌てて輝一へと向き直る。

「あ〜、教えてくれるのは嬉しいけどさ。でも、いいのか?だってお前関係ないのに」

「そうでもないよ。担当教師一緒だし、いずれにしても近いうちにウチのクラスでも小テストあるかもしれないじゃん。だから、これは予習みたいなものだよ。だから、無駄にはならないし、拓也のためにもなる。ね?お互いにとっていい条件だろ?」

「そう言われれば悪くないかな?」

「じゃあ、放課後にここへ来るよ。じゃあ、そろそろ6時間目はじまっちゃうから帰るね」

「ん。分かった。ありがとな」

輝一が自分のクラスに戻っていくのを見送った後、俺は反射的に窓際の後ろの席を振り返る。

いつもなら、こんなやりとりなんかしてたら、即座にアイツが割って入ってくるんだけどな。

「なんで、休むんだよ。輝二のバカ」

主のいない空席に小声で文句を言い放ち、俺は次の授業の準備に入った。

 

※ ※ ※

 

放課後になり、約束どおり輝一が俺のクラスへとやってきた。

「じゃあ、はじめようか」

「おう!よろしく頼むぜ」

最初の1時間ほどは、真面目に輝一に分からないところを教えてもらうことに集中していた俺。

でも、元々集中力が散漫になりがちな俺は、次第にやる気すら失せていってしまったようだ。

心ここにあらずな様子は輝一も気づかれたようだ。

「疲れた?」

「あっ悪い。ちょっと輝二、今どうしてっかな?って思っちゃってさ。ほら、もし明日出てこれるようになったら、いきなりテストじゃん。だからさ、大丈夫かな?って」

「お見舞い…行きたい?」

輝一は急に真顔になって俺の顔を覗き込む。

「んなっ?!なっなんで俺が輝二のお見舞いになんか…ただ、何も知らずに明日来て、赤点とかとったらアイツかわいそうかなって」

「輝二なら大丈夫だよ。急なテストって言っても、ちゃんと授業聞いてれば分かる内容ばかりみたいだしね」

「むっ!それって俺は全く先生の話聞いてないってことか?」

「あっ…ごめんごめん。そういうつもりで言ったんじゃなかったんだけどね」

すぐにいつもの笑顔の輝一に戻り、「じゃあ、終わりにしよっか?」とペンを置く。

「うんうん!さんせ〜い!あ〜疲れた〜」

「あっそうだ。拓也。勉強がんばったし、ご褒美にいいもの…あげよっか」

「いいもの?何、それ?」

「いいから。目、瞑ってて」

「こ…こうか?」

「ちょっと口開けておいた方がいいかな?あま〜いものあげるから」

「ん〜チョコか何かか?」

「ん…そんなとこ」

カサカサと封を破るような音が聞こえる。

俺はその音を頼りに食べ物か何かをくれるのだろうと思っていた。

でも、何で目を閉じてないといけないんだろ?

「じゃ、あげるね」

「…あっ…ひぁっ…」

唇に何か柔らかい感触が一瞬触れたと同時に、口内に転がり込んできた丸い塊。

「俺からのホワイトデーのお返し。残りはここに置いとくね。それじゃあ、明日がんばってね」

してやったりな顔で笑みをこぼしながら、輝一は机の上に残りのキャンディーの入った箱を置くと、逃げるように帰ってしまった。

俺は輝一が帰ってからしばらくの間、一体何が起こったのだろうと頭が追いつけずに、呆然としていた。

不意打ちのキスなんて…ずるいよな?

この胸のドキドキと触れられた唇の消えない感触、どうしてくれるんだよ。

「輝一のバカ…」

せっかく教えてもらった公式は今のは全て頭からすっ飛んだ。

俺の中に残されたのは、たった1つの甘い不意打ちのキスの感触だけだった。

end

 

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おまけ

「わざわざありがとね」

「あっいえ、もし明日輝二が学校へ来れるとしたら知っておいた方がいいかなって。渡したいプリントとかありましたし」

なんで俺、輝二のお見舞いになんて来てるんだろ?

それに輝二に渡さなくちゃいけないものなんて本当はないのに…。

叔母さんに案内されて2階へと上がる。

「輝二くん。拓也さん来てくれたけど」

「あっちょっと待ってて」

ガタガタと部屋の片づけをするような音が少し聞こえた後、すぐに内側から扉が開かれ輝二が顔を覗かせた。

思ったより元気そうな顔だったので、ホッとした。

「それじゃあ、ゆっくりしていってね」

叔母さんはそういって俺と輝二を残して、階下へと降りていく。

「入れよ」

「ん」

輝二の部屋へ入るのは何度目だろう。

相変わらずこざっぱりとした綺麗な部屋に、俺は自分の相変わらず片付かない部屋を重ね合わせ、ちょっとだけ情けなさを感じていた。

(普通逆なんだろうな)

輝二はまだ体調が優れないのか、ベッドに戻り、俺には勉強机の前にある椅子を勧めてくれた。

「まさか、拓也が見舞いに来るとは思ってなかったから驚いた」

「俺も驚いてる」

「は?」

「あっいや…なんていうかな。今日はいろいろあったから。そしたら急におまえに会いたくなった」

「何か…あったのか?」

「…ちょっとな」

輝一にキスされたなんて、さすがに言えなくて俺は輝二から視線を外して、話題を変えることにした。

「あのさ、明日数学の小テストがあるんだ。それで、もしおまえが明日学校行けるようだったら、いちおう教えておこうかと思ってそれできた」

「そんなのメールなり電話で言えばいいだろ?それに、このことはもう知ってた。泉がメールで教えてくれてたからな。それと…」

輝二は椅子の上でもじもじしてる俺の腕を引っ張ったかと思うと、そのまま俺をベッドの上に引き寄せ強く抱きしめてきた。

「うわっ!なっ?」

さすがに病人相手に手をあげるのもって思って、びっくりはしたが抵抗せずにおとなしくしていると、輝二が俺を胸に抱いた状態で輝一の話をはじめて、俺はおもわずビクリと肩を震わせてしまった。

「泉がメールで「拓也が輝一に勉強教えてもらうことになったわよ」なんて打ち込んであったから、ちょっと悔しかった」

「なんでこんなタイミングで熱だしたかなって思ったりしてさ。今頃、輝一の奴、拓也にちょっかいだしてるんだろうか?とか、変な真似してないだろうなとかずっと考えてた。そしたら、霧消に拓也に会いたくなって…そしたら、おまえが来てくれて嬉しかった。まるで、気持ちが1つに繋がったみたいでさ」

そっと髪を撫でられ、額にキスされて…

いつもの俺だったらこの辺りで「何しやがる」で拳が飛んでたところなのに、今日はむしろ輝二のぬくもりが欲しいくらいで、気がついたら自分から輝二の唇を求め重なり合っていた。

「拓也…甘い香りがする。その口紅のせいか?」

「…ちげーよ。これは…泉にちょっといじられただけで。この香りは、勉強教えてもらった後、輝一から…飴、もらってさ。こっち来る前にちょっと舐めてたから。イチゴの味しただろ?今のキス」

「よく分からなかった。なにせ、おまえすぐに離れるから」

「あったりまえだろ!おまえにずっと引っついてると何されっかわかんねえし」

また思ってることと裏腹なこと言っちまった。

でも本音をいえば、やっぱり輝二の方がいいことは俺自身が一番分かっている。

物凄く恥ずかしくて頬に熱が集まるのすんごく分かるけど、同時にすごく満たされるから好きだ。

(輝一にキスされたときは、びっくりはしたけど満たされはしなかったもんな)

そこで、俺はふとあることを思いついて、バッグの中から輝一からもらったキャンディーを1つ選び取る。

そして、いたずらっぽい笑みを浮かべ、ベッドに横たわったまま俺を見つめる輝二へと近寄った。

「輝二、いいもんやろっか?」

「いいもの?変なものじゃないだろうな?おまえ、今鞄の中漁ってただろ」

「心配するな。毒じゃないから。とにかく目ぇ閉じろよ」

輝二は疑い深い目で俺をしげしげと眺めていたが、おとなしく俺の要求を呑むことにしたようだ。

言われるままに目を閉じる。

「少しだけ口開けといてよ。とっておきの甘いのあげるから」

ギシッとベッドを軋ませ、俺はベッドの端に両手をつき、口にはさっき適当に掴んだ紫色の飴を含み、ゆっくりと輝二へと折り重なり、そして二度目のキスを交わした。

「な?甘いだろ?」

「…まあな」

輝一にされたこと。

不意打ちのキス。

されるのは好きじゃないけど、するのはいいかもしれないと思った。

だって、アイツが驚く顔なんて滅多に見れないからさ。

end


無理矢理、2本押し込んだ…

やっぱり拓也さんは輝二さんじゃなきゃダメらしい。

みたいな形で終わりにしてみた。

ミニフロなんでできる限り、簡潔にしようとしてちょっといい加減な締めくくり方なんですが…

双拓♀の三角関係を学園パロではじめたいんで、ここで一兄に宣戦布告をさせておきましょうな前置きでした。

でも、ここでの拓也さんは意外と輝二さんにあまあまだったので効果が…

本来なら、もっと翻弄されるはずが…

脳内では高校生フロンティアのラストが、ギャルゲーのいうところの結ばれましたチャンチャン♪な辺りまで進んでるせいか、拓也さんが積極的になっとる!

ツンデレ拓也さんどこいったんだろうね?