キスと贈り物はサプライズで

今回は輝二さん視点です。もしかして、二拓♀で初チュウ話じゃね?
みたいなw


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最近、拓也の様子がおかしい。

いつもなら、途中までは乗る電車が一緒だからと理由をつけて、「帰ろう」と言ってくるのに、ここ数日は俺を避けるようにして、さっさと姿を眩ましてしまう。

泉か輝一辺りなら何か知っているかと思い、問いただしても2人も「知らない」の一点張りだ。
拓也と一緒になって隠し事をしている様子もないようだし、嘘はついてないようなんだが、それにしても気になる。

そんな日が数日続いた頃だった。

偶然、俺は地元の駅付近で拓也らしき女子高生が近くの百貨店へ入っていくのを見かけた。

「…拓也?」

後ろ姿をチラと見ただけで、本人かどうか自信はなかったが、あの癖の強い前髪をそのままにしてる女は拓也以外にはそういないだろうと思い、とりあえず後をつけてみることにした。

彼女は1人きりで、他に連れらしき者は見当たらなかったが、もし彼女が間違いなく拓也だったとしたら、やはり何をこそこそとしているのか気になる。

俺は気づかれないように距離を置きながら、彼女についてエスカレーターを上っていく。

彼女は生活雑貨のコーナーがある階で足を止め、中へと入っていく。

俺もそこでエスカレーターを降りて、陳列棚の影に潜みながら、彼女の後ろ姿を探す。

…いた。

何やらレジカウンターで店員に話をしているのが見える。

店員は彼女の話を聞き終えた後、「少々お待ちくださいませ」と一礼し、陳列棚の影へと消えていった。

しばらくして、店員が「お待たせしました」と手に小さな包みを持ち戻ってきた。

どうやら、前もって注文していた商品だったらしい。

彼女は会計を済ませ、それを丁寧に手持ちのバッグの中へとしまっている。

そしてこちらを振り返った瞬間。

「やっぱり拓也…」

紛れもなく、そこにいたのは拓也本人であって、彼女は俺に気づく様子もなく、そのままエレベーターを降りて姿を消した。

「一体、何のためにここまで…」

ただの買い物なら、自分の家の近くにも店はいくつもあるだろうに、わざわざこっちへ来た理由がいまいち分からなかった。

しかも、俺を避けてまでして何のために…。

とりあえず、明日辺りにでもさりげなく聞きだそうかと思って、店を出たときだった。

拓也から一通のメールが入った。

--これから会いたいんだけど、おまえの家行ってもいいか?--

とだけ。

とりあえず、「30分後過ぎならかまわない」とだけ返信をし、急ぎ足で帰路につくことに。

拓也としては俺はとっくに家にでも帰ってる時間だと思っているだろうからな。

こんなところにいたと知れば、たぶん鈍いアイツでも俺が自分をつけまわしていたことに気づきかねないだろう。

そう考えながら、近道をしようと近所の公園を抜けようとしたときだった。

「あれ?輝二…なんだ。おまえ、まだ家に帰ってなかったんだ」

背後から掛けられた声に驚いて振り向くと、誰もいない公園のブランコにぽつんと拓也が腰掛けている姿があるではないか。

おもいっきり横切ってたのに気づかなかった。

拓也はブランコから飛び降りると俺の元へと駆け寄ってくる。

どうやら、俺がさっきまで拓也の動向を探っていたことにまでは気づいてない様子だ。

「でもまあ、ちょうど良かったぜ。30分もここで待ってなくちゃいけないかなあ…なんて思ってたとこだし」

拓也はニッコリと上機嫌な笑みを浮かべると、バッグを開き「俺さ、おまえにプレゼント持ってきたんだぜ」と中身を探りながら言う。

そしてスッと取り出されたのは紛れもない、今さっき拓也がお店で買ってきた品物だったのだ。

「なんだ…俺のためだったのか」

おもわず安堵の気持ちが声にでてしまい、慌てて口を噤むも、拓也は意味が分からなかったのか、不思議そうに首をかしげているだけ。

とことん鈍い奴で助かったな。

そう思いながら、とりあえずわざとらしく驚いてみせる。

「プレゼントか…誕生日プレゼントはもう貰ったし、一体、どういう風のふきまわしなんだ?」

「いやさ、ほらっおまえ、以前俺が「昔よくしてたバンダナ最近してないな」って聞いたときに、「古くなったから捨てた」って言ってたじゃん。それでさ、なんか代わりのって思って探してたんだけどさ」

急に俯き加減になってもじもじしながら、拓也は「とりあえず開けてみろ」とだけ言う。

言われるがままに開けて中を取り出してみれば、そこには昔俺が使っていたのとほぼ同柄で色違いのバンダナが入っていた。

「俺、どういうのが輝二に似合うのかなんてわかんなくて…ただ、前使ってたの…その好きだったから…えと、だから同じなのないかな〜って。おまえの地元の店なら売ってるかもって、探し歩いてたんだ。そしたら、やっと売ってるとこ見つけて」

そこで俺はようやく拓也がここ数日、さっさと帰っていた理由に辿りついた。

(そうか。これを探すために俺の地元付近の店を探し歩いていたわけか)

「似たような柄のはあったんだけど、輝二が使ってたようなのがなくってお店の人に相談したら、前のと同色同柄のはもう取り扱いにないけど、この色柄なら俺が言ってるデザインに近いし、取り寄せられるっていわれて…」

前のバンダナは今の母さんが俺の長い髪のことを気に掛けてくれて、買ってくれたものだった。
もうずいぶんと立っているし、なくなっててもおかしくはなかった。

別に同じものにこだわらなくても俺は拓也が選んでくれたものなら何でも良かったんだが、なんで相談してくれなかったんだか。

などと呆れておもわずため息をついていると、拓也は俺が不満に思っていると捉えたらしく、ひどく落ち込んだ様子で小さな声で独り言を呟いた。

「この柄とか色ならヴォルフモンカラーっぽくて、これなら輝二も気に入ってくれるかなって思ってたのに…」

そんな小さなことまで気に掛けてくれていたなんてな。

「拓也…」

「ん?」

「嬉しい」

「輝?…ひぁっ」

拓也の小さな気遣い、俺のことを思ってここまでしてくれたこと、受け入れられなかったんじゃないかってだけで、こんなにもしょげる姿、全てが愛しくて可愛くて…

俺はその気持ちを拓也を抱きしめ、そっとその額にキスをすることで気持ちを形にして伝えた。

「なっなにすんだよ!バカ!!」

誰も見てないとはいえ、やはり恥ずかしいのだろうか。

すぐさま、俺の腕の中から抜け出したいとばかりに、拓也は両手をいっぱいに伸ばして俺の体を突き放そうとする。

だが、俺としては今の拓也をそう簡単に離したくはなくて、より強く腕の中へと抱き込むだけだ。

「ふぁっ…やめろって!はずかし…だろ」

顔を真っ赤にしつつも、ようやく抵抗する気力を失ったようだ。
俺の腕の中でおとなしくしながら、拓也は上目遣いに「しないのか?」とだけ呟く。

「…いいのか?しても」

「あったりまえだろ!そのために俺、かっ…んっ?」

滅多にないことだ。
拓也の方からキスもしていいなんていうなんて。

俺は普段からは考えられない拓也の行動、言動の数々にようやく拓也も俺を恋人として認め始めたんだなと感傷に浸りつつ、唇を重ね合わせる。

しかし、それから数分もたたないうちに、俺の鳩尾に拓也のキツい一撃が食らわされた。

「なにしやがる!このバカ!!」

「それはこっちの台詞だ!いきなり鳩尾殴りやがって」

「ったりめーだろうが!!このエロ輝二が!!俺は「バンダナしないのか?」って意味で聞いたんだよ!なのに、キッキスなんて…するなよな!!」

顔は湯気がでそうなくらいに真っ赤になりながら、拓也は半分涙目で俺を睨みつけながら、逃げるようにして俺を残し帰っていってしまった。

「ちゃんとバンダナならバンダナって言えよ。あの状況で「しないのか?」なんていわれたら、キス以外に思いつかないじゃないか」

今もなお、痛む鳩尾をさすりながら、俺は拓也が残していったバンダナを巻いてみる。

「まさか、拓也が俺のバンダナ姿が好きだったなんてな。もっと早く言ってくれれば前のも捨てないで置いたのにな」

フッと彼女のかわいらしいくらいに真っ赤になった照れ顔を思い出せば、ささやかな幸せを感じてしまう。

俺はやはり相当拓也が好きで仕方ないようだ。

end


シナリオレベルは突発なんでたいしたことないんですが、とりあえず輝二さんバンダナ秘話。
古い方のバンダナ話は当然捏造ですけど。

いちおうウチの二拓♀はベタ甘よりかはツンデレ拓也さんが強いと思う。
そして輝二さんの方が気持ちに素直な直球型?
拓也さんは素直になれないツンデレ変化球型?みたいな。

時々、予想外の積極的行動にでるのが拓也さん。だと思う。
そしてそれに振り回されがちなのが輝二さんだと思う。
んで、たいていテレMAXになった拓也さんに殴られる。

拓也さんにLOVE注入されちゃった輝二さんにその不意打ちの一撃は避けられない。

そんな日常が高校生二拓♀。
いつまでたっても友達以上恋人未満w