ミニフロ〜その17

猫物語番外編。

視点は輝二さんで。いちおう二拓♀??

猫耳、尻尾つきの拓也さんをイメージして読むといいですw

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小さきものに好かれる彼女

拓也の発情期も無事に乗り切り、ホッとしたのもつかの間。

後、2日で俺の恐怖の猫生活も終わりかと思った矢先。

「おい」

「ん?なんだ?」

「おまえの膝に陣取ってるそいつはなんだ?」

「なんだって見て分からないか?猫だよ。猫」

俺の質問に、拓也ははあ?と呆れたように首を傾げて、さらりと「猫」だと返す。

「いや…俺が聞きたいのは、そういう意味でなくてだな」

「はあ?じゃあ何だよ?」

おもわず、こめかみに青筋が立ちそうになったのは、そのムカつく猫のせいだ。

できることなら、今すぐにでもそいつを拓也の膝から退けたい。

が…

俺はこの5日間でだいぶ猫に慣れてきたとはいえ、やはりまだ本物の猫に触るという行為にまでは、残念ながら辿りつけていない。

たとえ、仔猫と成猫の間くらいの大きさのチビ猫でもだ。

俺は何とかして拓也自身にそいつを追っ払ってもらえるように、チビ猫と睨み合いを続けながら、改めて拓也にこいつの存在を問うことにした。

「だから!そいつはおまえの何なんだ!と聞いているんだ。おまえんち、猫はおろか毛の生えた動物なんて飼えない環境なんだろ?当然、おまえの飼い猫じゃあないよな?」

「ん?まあ、そうだけど」

「だったら、なんでそいつはずうずうしくもおまえの膝の上にいるんだ。おかしいだろ?ここは学校だぞ。動物を連れてくるようなところじゃないんだ。さっさと外へ置いてこい」

もっともな意見を言い切り、俺はここではじめて憎いチビ猫から拓也へと視線を移した。

拓也はチビ猫と同じ茶色の猫耳をピクピク動かしながら、少し考え込んでいたが、ようやく猫を抱きかかえ教室を出て行ってくれた。

これで今度拓也が俺の前に姿を見せるときは、あのムカつく顔はナシだ。

少なくとも、拓也を構うことはできるようになると、俺は上機嫌で拓也の帰って来るのを待つことにした。

そして、数分後戻ってきた拓也。

手には猫の代わりに牛乳パックを携えて、俺の隣へと戻ってきて、いつものように席に着く。

「置いてきたぞ〜」

そう拓也が言い終わると同時に、俺と拓也の間を茶色い物体がヒュッと横切った。

「おい…戻ってきてるぞ」

「あー…またかよ」

牛乳パックにストローを差す手を止めながら、拓也はさすがに困ったように膝の上に乗り、自分をジッと見つめてくるチビ猫にため息をつく。

「仕方ねえなぁ。これ、少し飲むか?」

「ミャア」

「いいか。これ飲んだら、もうここへ戻ってくるんじゃないぞ」

「……」

「返事は?」

「ミャウ〜」

なんだ?コイツは。

まるで拓也の言ってる言葉が分かってるような反応じゃないか。

危険だ。このチビ猫、普通の猫じゃない。

拓也という領地を脅かす危険な猫に違いない。

俺は拓也とチビ猫の微妙な繋がってるやりとりに、大人気ないと思いながらも嫉妬してしまったようだ。

拓也が猫に牛乳を分け与えながらも、俺を変なものでも見るかのような目で見ていることに気づき、慌てていつものクールな表情を取り繕い、何も気にしてない風を装った。

「おまえさ…まさか、こんなチビ助にさえ嫉妬すんの?」

「いや…俺はただ、猫が嫌いなだけだ」

「さっきの殺気に満ちた目はなんか違うものがあったぞ」

「ミャア」

「おしっ!飲み終わったな。じゃあ、さっきの場所まで連れてってやっから、もう学校ん中、入ってくんじゃねえぞ。この学校にはな、そこの嫉妬深い兄ちゃんの他にも、猫攫いの先生がいるからな」

「だ〜れが、猫攫いの先生なのかなあ?猫娘、神原〜」

いつのまにかチャイムが鳴っていたらしいな。

HRの時間になり、棗先生が例のごとく、ロープを伝って窓際からちょうど降り立ったところへ、拓也が余計なことを口にしたというところか。

「あ…いやあ。俺はただ、棗先生の高校時代の話をちょろっと聞いたことをコイツに…っていうか!すぐにこの猫外に追い出してきますんで!じゃっ」

チビ猫を抱えて、速やかに先生の前から逃げようとした拓也の襟首を素早く掴み、棗先生は拓也の腕の中のチビ猫をジッと見つめる。

「なんだ?コイツ。おまえの猫か?」

「いや、違うけど。ただ、なんか懐かれちまったらしくて、昨日から学校内をあらゆるところで追いかけられてる」

「ほお〜…。ケンカには弱そうな顔だが、頭はよさそうだ」

「ミャア」

「まあ、事実。こいつ、他のノラたちにいじめられてたの俺が助けたわけですしね。弱いのはお墨つき」

「なるほど。それで助けてもらった恩返しに神原につきまとってるというわけか?」

「ミャッ」

「よしよし。じゃあ、茶太郎。おまえは今日からウチの生徒だ。好きなだけ神原の傍にいろ〜」

「ウミャア」

「「え?」」
チビ猫の頭を撫でてから、先生は何事もなかったかのように教卓へと歩いていき、出席をとりだした。

「おい…なんで、そうなるんだよ」

おもわず声に出して呟いてしまった言葉に、拓也の膝の上に堂々と居座りながら、茶太郎と命名されたチビ猫はどや顔で俺を見上げている。

(なんかムカつくぞ。このチビ猫)

それ以降、俺がコイツに慣れるまで学校内にいる以上は俺が拓也に触れる機会は大幅に減らされることとなるのであった。

-end-

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なんか長くなった。

そして、輝二さんのライバル候補。最強を誇るのは一兄ではなくチビ猫の茶太郎となった。

ちなみに猫の中では最弱なこの仔だが、輝二さんよりは強いとこの時点で自覚してる恐ろしい仔でもある。

こうして輝二の拓也不足はさらに悪化し、節拓を余儀なくされるのであった。