ミニフロ〜その13

視点は輝一さんです。で、一拓♀っぽい同居ネタらしいオチつき。

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イメージ少年

あーなんでだろ?頭がやけに重い。

後頭部が少しズキズキしてる。

「一。…輝一」

誰かが俺のこと呼んでる。

母さん??

母さんにしては声が少しハスキーだよな?

どっちかというとこの声。

「拓…也?」

「あっやっと起きた。なかなか起きないから心配したんぞ。おまえがあんまり起きないから、俺どうしようかと」

「あーそうだったんだ。ごめんね」

「いいって!それよか、もう少しで朝飯できっからな!いつも、おまえにばっか作らせてたしな。たまには彼女の手料理も食いたいだろ?」

「え?彼女??誰が??」

「誰がって!なんだよ〜おまえ、まさかやっぱり、俺よか泉がいいって言うんじゃないだろうな?」

プウッと頬を膨らませて、俺の布団の脇にちょこんと座る拓也は、可愛い赤地にチェックのエプロン姿で、手には菜ばしが握られていた。

どう考えても奇妙な光景だろ?これは---。

朝、目が覚めると、そこには母さんの代わりに拓也がいて、しかも俺のために朝飯を作ってるなんてさ。

それに、拓也の自ら「彼女」発言。

あれ?拓也って、どっちかというと輝二寄りだったような気がするんだけど…変わったのかな?

だとしたら、それはそれでいいんだけど。いつのまに?

俺がぼんやりとした目で拓也をジッと見ていると、キッチンの方で、焦げ臭い匂いがしてきた。

「ん?なんか焦げ臭くない?」

「あっ!魚、グリルにかけたままだった!!」

俺の言葉に、拓也がハッとなってミニスカートをひらりと翻し、そそくさと引き返していく後ろ姿が、何だかとても可愛らしい。

おもわず見惚れてしまう。

「うわわっ!魚焦がした〜…うー。やっぱ俺、料理へたくそかも」

拓也の絶叫に、この状況が未だよく理解できないままに、布団から這い出し、俺がキッチンを覗けば、拓也が焦げた魚を前にシュンとしている姿が目に飛び込んできた。

「ごめんな。毎回、俺が作るたびにまずいもん食わされる羽目になってさ。やっぱ、俺おまえの恋人失格だよな」

「こっ恋人?!たっ拓也が?!輝二じゃなくて?俺の??」

「はあ?おまえ、さっきから何変なことばっか言ってんだよ!まさか、やっぱりおまえどっか頭でも打ったんじゃねえか?もしかして俺のせいか?昨日、おまえに抱きついたときにうっかり押し倒しちまったし…それに」

恥ずかしそうに顔をみるみるうちに真っ赤に染めて、拓也は上目遣いに俺を見つめながら、潤んだ瞳をフッと逸らすと、小さな声で呟く。

「昨日は…はじめてだったしな。お互いに」

「はっはい?」

「だっだから!その…まさか忘れたとかいうんじゃないだろうな?おっ俺にあんな恥ずかしい思いさせておきながらさぁ///」

「あっいや、そんなこと…ないよ」

俺の胸に手を置いて、泣きそうな顔で擦り寄ってくる拓也を前に、俺はとっさに嘘をつく。

状況が掴めない。

でも、拓也の言いたいことは分かる。

それって…つまりは。

「拓也!」

「なっ何?」

おもわず拓也の両肩をがっしりと掴む。

拓也の顔がこれでもかってくらいに真っ赤になり、何かを相当意識したのか、恥じらいに満ちた瞳を再び逸らし、桜色の唇は僅かに震え甘い吐息を漏らす。

「あうっ///こっ輝…一?」

こんな可愛い拓也とあんなことしてたなんて、俺の記憶にないこと事態が間違っている!

そうだ!だったらもう、これしかない!

「拓也。もう一回、しよっ」

「みゃっ?!////そっそんなっ…朝っぱらからか?」

「だって、俺…」

(記憶にないなんていったら傷つくだろうしなぁ)

なんて思いながら、適当な口説き文句を探していると、そっと拓也の手が俺の背中に回されてきて、目線を下ろせば、拓也が真っ赤な顔のまま「輝一の好きなようにしろ。俺は…かまわないぞ」なんて可愛いこと言うし!

もう夢でもいい!

いいよ!記憶にさえ残っていれば!

「拓也…おいで〜」

「輝一〜」

俺が両手を差し出せば、拓也がわんこのように尻尾を振って、俺の元へ駆け寄ってくる光景が見える。

部屋の中にお花畑が見えるよ。

これはどう考えても---。

「夢としか思えないよ。拓也〜」

「ああ、夢だからな」

グイッと誰かに無理矢理、拓也から引き離される感じがしたかと思うと、すぐに代わりの何かを掴まされる。

「え?」

拓也にしてはなんか感触が綿すぎるな。

ハッとなって、我に返れば俺が抱きしめていたのは拓也でなく、ふざけた顔のぬいぐるみだった。

たしか、これ。友樹がキャッチャーで取ってきたとかいう「ラビットマン」とかいうぬいぐるみだよな?

それも拓也のベッドの脇にいつも置かれてる。

微かに香るのは拓也愛用の制汗デオドラントの香り?

「拓也に聞かれなくて運が良かったな。おまえ」

「何が?」

「拓也の夢見てたくせに」

俺がベッドから起き上がろうとすると、ズキンと痛む後頭部。

これだけはどうやらリアルな痛みだったらしい。

誰かがアイスノンを引いてくれてたらしく、どうやら俺は何かが原因で頭を打って気を失っていたようだ。

でも、なんでだっけ?

俺がぼんやりとしたまま、記憶を取り戻そうとしていると輝二が「おまえ覚えてないのか?」と心配そうに問いただしてきた。

「え?あ〜うん。よくは」

そこへ扉がバアンッと勢いよく開く音がして、飛び込んできたのは泉とそして拓也に純平だ。

純平は誰かと乱闘でもした後のように、制服の襟元が乱れてた。

誰かが掴みかかった後のようだけど、なんでだろ。

そう思っていると、泉が俺の眼前へと飛び込んできて「大丈夫?」と心底心配そうな顔で、俺を見つめた後、ギンッとした目で、純平と拓也を睨みつけた。

「私が来る前に、この2人が追いかけっこして輝一くんに怪我させたって聞いて、驚いちゃった。でも、今さっき2人には私がしっかりと文句言っておいたから大丈夫よ」

「だから!俺だって被害者だっての!純平のくだらない妄想におまえと履き違えられて追っかけまわされたんだからな!」

「その挙句に、何の罪のない輝一くんに体当たりしたくせに!こんな狭い部屋の中を駆け回るなんて」

「だって、チュウされそうになったんだぞ!こいつにさ!」

「あら、おとなしくほっぺの1つでもさせてあげてればよかったじゃない。どうせ、輝二としょっちゅうキスしてるんでしょ?」

「してねえっ!!」

2人の揉み合いを見つめながら、頭の中ではようやく戻ってきた記憶を思い起こす。

そうだ。

俺、拓也ん家で棗先生がお花見の時に撮ったっていうビデオの話をしてて、それで純平があの時のこと思い出して、泉との新婚妄想はじめて、拓也がその犠牲になって追い掛け回されて、俺…2人を止めようとして、それで---。

(つまり、あの夢は気を失う前に新婚がどうとかなんて話聞いてたから見たんだな)

そう思いながら、ちらりと輝二の方を見やれば、なぜか泉と拓也の揉み合いをとめることもせず、不機嫌そうに俺を睨みつづけている。

俺が拓也相手にイチャイチャ妄想を勝手にしただけにしては、半端ない嫉妬だよな?

俺が気を失っている間に、輝二がイラッとくるようなことなんかあったのかな?

あるわけないよな?

拓也がリアルに俺に恋人みたいに接してくれるなんてさ。

きっと…アレも夢だよね。

ふと、拓也が俺のことを胸の中に抱きしめて、必死に俺の名前を呼んでるシーンを思い出す。

小さいけど、たしかに感じた。

そのふよっとした柔らかな温もり。

やけにリアルで、そしてあたたかった。

でも、きっとそれも夢なんだよね…

ねえ?拓也。

俺の見た夢、君はいつ実現してくれるのかな?

-end-

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ちょっと長くなりすぎたな!

でも、まあ一拓♀w

夢の中の拓也はウソみたいに可愛かったw(輝一さん後日談)

ちなみに、アイスノン引いてあげたのも、輝一さん抱きしめて、必死に名前呼んでたのもリアル拓也さんだったりする。

だから、後々になって輝二さんがそのことを思い出してイラッとしてただけ。

輝一さんが頭打って倒れたときはそれどころじゃなかったとはいえ、彼が何の外傷もなくのほほんとしているの見てたら、心配だった気持ちから嫉妬へ変わったってとこか?

ちなみに友樹は部活で遅れてきたという背景あるので、この時点でいないってだけです。

余談で、拓也のベッド脇のぬいぐるみは、猫物語内の泉宅でもでてます。

拓也に黒に赤マント。泉に白に紫マントのうさぎのぬいぐるみを友樹がプレゼントしてるのでw

拓ちゃんぬいぐるみ好きじゃないけど、貰い物でだいぶ乙女な部屋化している。