キャンバスの先の君へ(輝→天♀)
※妄想設定。輝くんがなんで、変なタイミングでサッカー部へ入部してきたか。
原因はやっぱり天馬♀だよな!って思う。
もう天♀受末期だよ…可愛いもの同士ですら組めるんだぜ!
以下本文。
※ ※ ※
昼休み…
中庭でぼんやりとスケッチブックに風景画を描いてた。
そんな時だった。
コロコロとサッカーボールが前方を転がっていくのが見えた。
(サッカーかあ…僕も、本当は部活やりたいんだけどなあ)
目の前でボールが止まる。
僕は鉛筆を走らせる手を止め、立ち上がるとボールを片手で拾い上げると、辺りをきょろきょろと見回し、これを転がした持ち主の姿を探す。
「あっ!ごめんなさいっ!それっ俺のなんです!」
すると、渡り廊下の方から上履きのまま、こっちへと駆け寄ってくる1人の女子生徒の姿が目に止まった。
(あ…あの子、噂の転校生の--)
長い茶色の髪に、綺麗な青い瞳が印象的な女の子。
クラスは違うけれど、何度かサッカー部の練習を見学していた時に見たことがある。
僕はその子が自分の目の前まで来るのを待ってから、ボールを手渡した。
「ありがとう」
「どういたしまして」
ふわりと優しい笑顔を浮かべて、彼女はボールを受け取ると、そっとボールを抱きしめて誰にともなくこう呟く。
「勝手に遠くにいっちゃだめだよ」
--って…。
今度はしっかりとボールを抱えて、彼女は同じサッカー部の男の子2人の元へと駆け戻っていった。
「ごめーん!信助!狩屋!早くグラウンドいこっ!」
彼女の後ろ姿を見送りながら、僕は小さな声で独りごとをおもわずぼやいていた。
「ライバルは多そうだけど、やっぱ僕もあの子を少しでも近くに感じていたいかな?」
芝生の上に置いたスケッチブックが風に煽られ、ぱらぱらとめくれていく。
パタリとあるページでそれが止まったとき、まるで今の僕の感情を現すかのように、その絵が僕の前に顔を覗かせた。
「この笑顔…好きだな」
そっとスケッチブックを拾い上げると僕は、はじめて彼女を見たときに描いた彼女の絵を見つめ、自然と浮かび上がる笑みにささやかな幸せさえも感じるのであった。
-end-
|