カレの秘密は彼女のヒミツ(京天(♀)+拓)

※ここではいろんな捏造設定が組まれてます。
パラレルOK!って人にオススメ!
ここでの捏造されたネタばらしをすると面白くないので、直接読んでいただいて謎の解明を楽しんでください。(推理小説じゃあないけど)

※ ※ ※

--松風天馬が2人いる。

俺がその事実を知らされたのは、つい先日のこと。

兄さんの見舞いにいつものように病院へ行ってたときのことだった。

「そういえば、天馬くん。双子のお姉さんがいたんだね」

「え?双子の…姉?」

(いや、そんな話一度も聞いたことないよな?)

兄さんが少し外の空気を吸いたいというので、車椅子を出してやり、一緒に中庭を歩いていたときのことだった。

兄さんが妙なことを言ったのは---。

「京介は知らなかったのか?名前も同じでね。看護士さんから後で教えてもらったんだけど、俺と同じで足を怪我して、つい1ヶ月前にここへ搬送されてきたらしい。それも、俺みたいに手術すれば治るとかじゃなくて、歩くことすらできるか分からないくらい重症だったらしい。かなり足を限界まで酷使してきたんだろうね。何をしてそうなったかとかは知らないけど」

「そう…なんだ」

その時はあまり深くは考えもしなかった。

名前が同じで、顔も同じ奴が偶然この世界に2人いただけだろう。

その程度に思っていた。

だが、その話を聞いてから数日後。

俺は松風を兄さんの一件を知られたあの日以来、再びこの病院で見かけることになるのだ。

※ ※ ※

「それじゃあ、俺帰るよ」

「ああ。毎日ありがとう。サッカーもがんばれよ」

「ああ。それじゃ」

兄さんの病室を後にし、家に帰ろうとしたときだった。

(松風?)

見知った後ろ姿が学ラン姿のままで、病院内を歩いているのが目にとまった。

(アイツの知り合いに病人でもでたのか?)

俺の知る限り、アイツの今身近にいる身寄りはアイツが世話になっているというアパートの管理人だけのはずだった。

それと同時に、数日前に兄さんが話していた奇妙な話を思い出す。

(…まさか。本当にアイツ、双子の姉でもいたのか?)

そう思い、俺はつい気になって、あの時、松風が俺をつけてきたのと同じようにまた、俺もアイツの後を追いかけていたのだった。

松風が特別病棟の個室へと姿を消したのを見届けてから、俺はその病室の前へと立っていた。

「神童…天馬?」

その病室前に入院している患者の表札が掛けてあり、名前をみればなぜか姓が「松風」ではなく俺のよく知るキャプテンの姓「神童」となっていた。

ますます意味が分からない。

神童天馬とは誰なんだ?

そう思い、半開きになっていた扉をいいことに、俺は隙間から漏れる会話に耳を傾けていた。

「マスター。今日ね、俺、白恋の試合で三国先輩の代わりにキーパーしたんだよ」

「そう。それで?ちゃんと守れた?」

俺の知る声と同じ声が松風の言葉に返事をした。

少し元気のない弱々しい声ではあったが、やはりその声も松風だった。

「うん!俺もマスターみたいに化身も出せたし、やっぱり拓人様の言うとおりだったよ!俺はちゃんとマスターの化身使いの能力さえも完璧にコピーされてたんだ!」

「そう。良かった。これなら、もう何も心配いらないね。天馬…私のもう1人の私。これからは私の分まで兄様と、雷門のみんな…そして剣城のこと支えてあげてね」

--もう雷門へ戻れない私の代わりに。

ふわりと病室の開いてた窓から風が吹き込み、ベッドを囲っていたカーテンの隙間から、松風と同じ顔をした少女の寂しげな笑顔が一瞬だけど覗かせた。

(…?!アイツ!!松風?!)

それは紛れもなく、つい1時間ほど前まで、俺たちと一緒にサッカーの練習に励んでいた松風本人だった。

唯一違うのは彼女の髪が、1ヶ月前の松風と同じ腰までの長さだということと、女だということだけ。

(一体、これはどういうことなんだ?松風が2人だなんて)

俺が驚きに満ちた目で、彼らを盗み見ていると、ぽんっと背後から誰かに肩を叩かれた。

ハッとなって振り返れば、そこにはキャプテンが立っていた。

「キャプテン…」

「少し話そうか。彼女らのことで」

「はい…」

見舞いの品を片手に私服姿のキャプテンは、俺にそう言うと俺に「屋上で」と言い残し、病室の中へと消えていった。

俺は指示されたままに、1人先に屋上へと上がっていくのであった。

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