僕の恋愛フラグは条件型で(雨天♀)
※例の押し倒しの相手が天馬ちゃんだったら…ギャルゲみたいになるということで。
※ ※ ※
四角い窓から切り取られた空を見る。
「ああ、今日も綺麗な青空だなぁ」
--早く外へ出ておもいっきりボールを蹴りたい。
「検査入院だなんて退屈だな」
そう思いながら、ふと窓の外を見下ろしたときだった。
1人の女の子がまるで探偵ごっこでもしてるかのような動きで、前方を行く男の子の後を尾行しているのが見えた。
「へえ、あの子。可愛いなあ。それに面白い」
こそこそと植樹の影に隠れたり、建物の影に隠れたりを繰り返しながら、時々気配を察知してか振り返る男の子にびっくりして慌てて身を潜める姿とかなんだか見てて滑稽だ。
それに、遠目からでも分かるあの青空のような綺麗な瞳は、なぜか僕の心を大きく揺らすものがあった。
「ちょっとからかってみようかな?」
暇つぶしに読んでた担当看護士の冬花から借りた少女漫画の一場面を思い出し、僕はこっそりと病室を後にするのであった。
※ ※ ※
「…おっかしいなぁ。もしかして、僕の予想外れた?」
彼女が追いかけてた男の子とその子が見舞ってた家族らしい人がリハビリをしている姿を見つけながらも、その近辺に彼女の姿がないことにおもわず首を傾げてしまう。
(てっきり、彼を追いかけてたように見えたんだけどな。ここにいないとなると、一体…)
そう思い、再び中庭へと目を向けたときだった。
「あっ…」
彼女が病院から出ていくのが視界に映った。
(えっ?ちょっと待ってよ!これじゃあ、計画が狂っちゃうじゃないか!)
慌てて、近道をして彼女を追って飛び出す。
「とにかく、名前だけでも聞かないと!」
そう心に決めて、木の影から飛び出したときだった。
「え?」
「うにゃっ!」
まさかの彼女がとんでもない方向から歩いてきていた。
僕は本来の計画よりも大胆な鉢合わせを彼女としてしまい、気がつけば僕は彼女を下に押し倒す形で、彼女と向き合っていた。
しかも、さりげに片手がなんだかとても柔らかいものを掴んだ状態でだ。
「あっ…ごめん!大丈夫?」
「あっ//うっうん。平気…ちょっと頭打っちゃったけどぉ〜」
ちょっと困ったように頬を赤らめ、彼女は僕の右手の置かれてる場所を遠慮がちに見下ろし、それから僕を言いづらそうに口をもにょもにょさせながら黙って見上げる。
(うっわっ//まずい!めちゃくちゃ可愛い!この子、遠目で見るより犯罪的に可愛い)
僕はどうやら今の出会いで完全に彼女に恋をしてしまったようだった。
瞬時に頬に集まる熱と、高鳴る鼓動が何よりもの動かぬ証拠だ。
僕はその後、彼女に「胸触ってるんだけどな…君」と遠慮がちに言われるまで、その柔らかさを無意識のうちに堪能してしまっていたようだ。
「あっと!ごめん!そのっ大丈夫?」
「うん…平気。それよりも」
--最初は軽い気持ちで興味を持った。
「ちょっと可愛い子だな」って。
だけど、実際に出会ってみたら、まさかの彼女に一目惚れとは…
「天馬か…また来てくれるかな?」
--そういえば、隣室のギャルゲーとか好きなお兄さんが、僕が天馬を押し倒しちゃったとこ偶然、病室から見てたらしくて、僕が冬花にこっぴどく叱られた後、こっそりと部屋へやってきて、こんなこと言ってたんだよな。
『イベントフラグ立てちゃったね〜君。まあ、立場的には逆だけど、これで彼女は君も攻略可能になったってわけだ。いや、この場合君が彼女を攻略できるチャンスを得られたってとこかなあ。とにかく、いいよなあ。病院という限られたエリアで条件限定フラグを立てちゃうなんてさ。しかもあんな可愛い子と』
なんかブツブツ一人語りしてったけど、もしあの人の言うとおり、それが最初のきっかけになるんなら、病室抜け出してみてよかったかもしれないな。
「だってさ。天馬と知り合えたんだからさ」
ずっと見てたんだ。
ホーリーロード。
なのに、まさかあんなところにキミが映っていたなんてね。
今度からはベンチサイドがちらとでも映るようならキミを探してみるよ。
--でも、できることならこっちへまた来て欲しいな。
キミが僕を攻略する気があるのならね。
-end-
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