いつか言えるといいな(輝<=>天♀)

シャチさんの12月から公開されてる拍手の3番目のお話から、輝くんと天馬の会話を元に、その後を輝天♀として妄想したものです!(許可はもらってあります)
可愛い感じにしてみました!
以下本文!

※ ※ ※

『ねぇ、輝入れてよ?』
『だから、俺のは小さいから…』
『構わないよ、輝がいいの』

最初は断った。
だって僕の持ってきた傘は小さいから、2人で入るには窮屈すぎる。
でも、最後まで天馬さんは頑として譲らず、結局僕が妥協する形で一緒に帰ることになったんだ。

--後からこのやりとりに参戦してきた先輩方や、最初から天馬さんに相合傘を申し出ていた狩屋くんから、物凄い殺気だった目で見られながらだけど。

「えへへ〜♪輝とこうして相合傘で帰れるなんて嬉しいなあ」
「あっ!天馬さん!ちょっ顔っ//顔近いよぉ」
「え〜?そうかな?でも、輝の傘小さいから、これくらいぴったりくっついてないと、肩がでて濡れちゃうし」

「だから言ったでしょ!僕の傘は小さいよって!なのに、天馬さんが譲らないから…」

はあ〜とため息をつき、時々彼女がこちらを向くたびに当たる胸の柔らかな感触にドキドキしながら、真っ赤な顔を見られないようにと気持ち視線を逸らし続ける。
天馬さんはそんな僕を見て、ピタリと足を止め俯いた。
僕は数歩先まで気づかずに歩いてしまい、ふと隣にあったぬくもりがいつの間にか消えてたことに気づき、慌てて彼女の元へと駆け戻る。

「あっ!ごめん!気づいてあげなくて!!どうしたの?急に立ち止まっちゃって」

少し雨に打たせてしまったことを後悔しながら、僕がそっと彼女に傘を差し掛ければ、天馬さんはハッとなって僕を見つめ、そして寂しそうに微笑んだ。

「ううん!俺の方こそごめん!輝なにも言わないから…迷惑なら迷惑ってちゃんと言ってくれれば、鈍い俺でも分かってあげられたのにさ。あっ!でも俺、輝のこと責めてるわけじゃなくて!その…」
「僕!迷惑だなんて一言も言うつもりないし、思ってないよ!むしろっ嬉しいんだ!ただっ…ただ…」

--凄く意識してるんだ。キミの事。好きだから…

一番言いたい本音が言えなくて、僕は顔を真っ赤にしたまま下を向いてしまう。

「輝…背中。濡れてる」

フッと僕の傘を持つ手に天馬さんの手が添えられ、くいっと彼女へと傾けたままの傘が正される。
びっくりして慌てて顔をあげれば、僕と同じように顔を真っ赤にしたままの天馬さんが、そのままギュッと俺の腕にしがみついてきた。
それも、なんていうかな?なんか決死の覚悟でとった行動って感じでだ。

「てっ天馬…さん?」
「めっ迷惑じゃないなら、入れてってくれるよね?このまま…。小さい傘で濡れちゃうこと気にしてるなら、こうしてても怒らない…よね?仕方ないことだから//」
「怒るなんて、そんなっ//」

僕の肩に顔を埋めながら、天馬さんは小さな声で「じゃっ帰ろう」と囁くとゆっくりと歩を進めだした。

「ちょっとだけ歩きづらいね。天馬さんは大丈夫?」
「俺は平気//それに、こうすれば寒くないし、2人とも絶対濡れないからさ」

僕も遠慮がちに…でも、しがみついてきた彼女の手は振り解かずに歩き出す。
腕から伝わる胸のマシュマロのような感触と、首筋にかかる彼女の柔らかな髪がくすぐったい。
だけど、なんでだろう…
今、僕は物凄く幸せな気分だ。

「ねえ、天馬…さん」
「なあに?輝」

おもいきって、「天馬」って呼ぼうとして呼びきれなくて、小さく「さん」ってつけていた。
顔を真っ赤にしながら、僕は小さな声で精一杯の勇気を出してこう言うんだ。

「あのね、今度また傘忘れたら、よかったらまた僕の傘入りなよ。今度は大きいの持ってくから」
「うん!ありがとう!輝!」

--本当はね、「好きなんだ」って言いたかったんだ。
でも、まだそのたった一言を君に伝える勇気がなくて…
だから、今の言葉はそこへ向かうための最初の一歩として受け取ってほしい。
きっといつか…
いつか必ず、ちゃんと君の目を見てこの言葉を---

「言えるといいな」
「え?」
「あっ//ううん!なんでもない!独り言」

-end-