氷上の妖精(雪天♀)
雪村くんが何年生とか分からんので、とりあえず同い年感覚な会話にしてみた。
天馬ちゃんが、ツンデレ化してるお話。
自分の都合のいいように本編後を捏造してみましたw
※ ※ ※
試合が終わり、スタジアムの明かりが次々と消えていく。
俺は吹雪先輩が雷門の監督と話があるからと言う事で、まだキャラバンへは戻らず、彼をスノーランドスタジアム内で待っていた。
そんなに話しは長くないからと言っていたし、ホーリーライナーの最終便が出るまで、少し時間もある。
暇つぶしにもう一度雷門と戦ったグラウンドでも見ておこうと思い、暗くなったグラウンドへと足を向ける。
「あれ?誰だろ?スタッフの人かな?」
非常灯が薄暗いグラウンドにスポットライトのように、その人影をポツンと照らしだす。
ふわりと茶色の長い髪と深緑のスカートが風に舞い踊る。
(あの子…たしか、雷門にいた)
たしか「天馬」とか呼ばれていたマネージャーの子だよな。
彼女は吹雪先輩が貸してあげたらしい上着を着込んだまま、楽しそうに誰もいない氷上の上を滑って遊んでいた。
「うわっ!とと!おお〜っ!にゃあっ!」
…が。
(おいおい。なんだよ。あれじゃ、全然華麗でも優雅でもないじゃんかよ。変な奴)
お世辞にも氷上の妖精という言葉がでてこないくらい、その滑り方は危なっかしすぎた。
それなのに、進んでそこで遊んでる辺りがバカみたいで、俺はおもわず声をあげて笑い出していた。
「ふぇ?だっ誰?!もしかして円堂監督?それともふぶ…キャアッ!」
--ステン!
俺の笑い声に気づいたのか、振り返った彼女は同時にバランスを崩し、見事な尻餅をついて氷のフィールド上に転がった。
(あっ…パンツ見えた)
おもわず、白い下着がチラリと見えたことに、俺は助けに飛び込もうとした足を一瞬止めて、ガン見してしまっていたようだ。
グラウンドの隅っこで、スカートの裾をギュッと伸ばし、ぺたんこ座りで俺を見る彼女の目がさりげに痛い。
「み〜た〜な〜!!」
顔を真っ赤にして、睨みをきかせる彼女に、俺は慌てて「見てない見てない!」とおもいっきり嘯いた後、再び彼女と目を合わせ、なぜか2人して笑っていた。
※ ※ ※
「そっか…それでここで待ってたんだ」
「ん…まあね。だって、吹雪さん。このままキミたちと一緒に帰るって言ってたから」
「寒がりのくせに大丈夫なのか?」
「うっ…だっ大丈夫だもん!」
「そう言いながらさ、アンタの太もも、すっげぇ鳥肌立ってるんだけど」
そう言って、冗談半分で彼女の僅かに覗く素肌へと手を伸ばし、軽く擦ってやれば、次の瞬間に頬に走る痛み。
「ってえ!何もビンタはねえだろ!せっかくあっためてやろうと思ってやったのに」
「そっそれがセクハラだっていうんだよ!ったく!南沢先輩といい、霧野先輩といい、ホント男ってみんなスケベなんだから…」
すぐに抱きついてきたり、さりげに胸触ってきたり…などと、次々と溢れる雷門マネージャーとしての愚痴と、そのたびに飛んでるという平手打ちの迫力を自らもこうして思い知らされたわけだ。
「まあ、アンタ自身が隙だらけってのも悪いとは思うけど、それでも普通、ぶっち切れて恋人でもない男相手に平手打ちなんてかますか?」
--普通だったら、可愛く「やめてください」だろ?
と、俺が言えば天馬はプウッと頬を膨らませて「どうせ、俺はじゃじゃ馬だし、可愛くないですよーだ!」だもんな。
コイツ、絶対自分じゃ気づいてないだろうけど、充分可愛いと思う。
おもわず、思った言葉を口にすれば、なぜか顔を真っ赤にして「うるさい!」と今度は軽くでこピンされた。
「ってえ!なんだよ!俺、褒めてやったんだぞ!天馬は可愛いってさ」
「なっ//バカッ!二度も言うなぁっ!!もおっ雪村なんてさっさと北海道帰っちゃえ!」
三度目はぷいっとそっぽ向かれて、それでおしまい。
手を上げることはなかったけど、なんでだろ?
物凄く寂しさだけがこみ上げた。
(俺…彼女に何期待してんだ?)
ほんの数分、会話しただけだってのに、いつのまにかこんなにも打ち解けていた。
その上、できることならもっとこうしていたいとさえ感じてる俺がここにはいて---。
(ビンタくらったり、蹴られたりは嫌だけど…。でも、アイツらは天馬と毎日こうして笑いあったり、触れられたり、時には叩かれたりと好きなだけスキンシップとれるんだよなあ)
ふと、雷門のメンバーたちに囲まれて楽しそうに笑っていた彼女の姿を思い出し、なぜかムッとなってしまったらしい。
「雪村?どうしたの?」
ひょいっと天馬が俺の顔を覗き込んでいたことに気づき、俺は反射的に頬を染めてしまう。
「いやっなんでもねえよ!それよか、吹雪先輩たち遅いよな」
「そうだね…」
彼女を意識しだした途端、俺はさっきまでの余裕が一気になくなってしまったようだ。
(やばっ//俺、もしかして天馬に惚れた?)
急に静まり返ってしまった2人の世界に、俺も天馬もなぜか気まずくなってしまい、互いに視線を外したまま黙り込んでしまう。
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