自惚れ屋とツンデレちゃん

※初、白竜さんシナリオ。白竜さんが自信過剰すぎるあまり、ちょいナルはいってます;

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「ねえ、あの人かっこよくない?」
「本当だ。どこの学校の人だろう?この辺の人…じゃないよね?」

剣城と久々に会って話がしたい。
そう思い、俺は彼がいる雷門中へと来ていた。

(……剣城の奴、なんで出てこない!もしかして、俺に気づいて裏口から逃げ出しでもしたか?)

次々と出てくる生徒たちの中には、俺を物珍しそうに眺める女子もいて、正直好奇の目に晒され続けるのがうざかった。
そのこともあって、俺は正門を避け、裏門へ向かって塀に沿って歩き出した。

「あれ?行っちゃったぁ」
「一体、なんだったんだろうね?彼」
「誰かと待ち合わせとかじゃなかったのかな?」

そんな俺のことを噂する女子の声も次第に遠ざかり、聞こえてくるのはどこかの部活動の生徒たちが、練習に励んでいるらしい掛け声だ。

(そうか。この時間、剣城はサッカー部の奴らと練習中か)

ふと、足を止め、フェンス越しに中の光景を覗き見れば、遠目からでも分かる黄色いユニフォームの選手たちがフィールドの上を走り回っているのが目に止まった。

それと同時にガシャガシャと揺れだしたフェンスと、少し離れたところから口論する2人分のよく似た声。

「ちょっ!いくら、急ぎの用だからって、それはないだろ!下りてきなよ!」
「大丈夫だって!すぐ戻ってくるから!後、よろしく!」
!!」

聞き覚えのある声に、視線を向けると同時に視界に飛び込んできた1人の少女。

--トンッと、身軽に着地をすると同時に、ふわりと彼女の長い髪が幻想的に風に靡いた。

「……おまえ。松風…天馬か?」
「「はい??」」

しばらく見ないうちにずいぶんと髪が伸びたな。
それに…まさかの女だったとは。
剣城がアイツに入れ込む理由はここにあったのか。
おもわず納得してしまったぞ。
そう思いながら、俺が目の前の松風天馬と思わしき奴に見惚れていると、フェンスの向こう側からも同時に返事が返って来たことに気づき、振り向く。

「何っ?!松風天馬が2人いるだと!!」
「「……ありがちなボケご苦労様です」」

呆れた目で同時に2人の松風天馬に返され、俺はますます混乱する。
一体これはどういうことなんだ!
* * * *
「そうか…。おまえたち、双子だったのか」
「それに、はゴッドエデンには行かなかったしね」
「留守番してろって天馬がうるさかったし…で、あなたはそのゴッドエデンで天馬が戦ったフィフスセクターのシードの」
「白竜だ。

ギュッとの手を握り締め、彼女の澄んだ深い青い瞳を見つめる。
しかし、彼女はよほど鈍感なのか、俺の好意的な態度に頬ひとつ染めずに、むしろ俺を冷めた眼差しで見つめている。

なぜだ!今まで、一度だって俺の眼力で落ちない女なんていなかったのに!!
コイツ、全然ときめいてない!!

しかもフェンス越しに、この光景を見ていた松風天馬は「あー白竜も?」な顔で死んだ魚のような目で俺を見つめ、心なしか哀れんでないか?

「まさか、おまえに双子の姉がいようとはな。シュウがここにいたら、大変なことになっていただろうな。なにせ、おまえのこと俺以上に興味を示--」
「だったら、あたしじゃなくて天馬と話を続けていただけませんか?あたし、先生に頼まれて買い物に行かなくちゃいけなくなっちゃったんで、急いでいるんですけど」
「あっいや!今、用があるのは天馬じゃなくて、!おまえなんだ!」

あまりに冷めた態度ばかり取り続けるに痺れを切らし、俺は意地でも落としてみせる!と心に決めて、グイッと彼女の腰を抱き寄せ、至近距離で見つめあう。

(ここまでされてときめかない女はいなっ…)

--バチンッ!

「気やすくさわんな!!」
「あーあ。やっちゃった…」
「…なっ?」

一瞬、自分の身に何が起こったのかと本気で思った。
左頬に鋭い痛みが走った。
彼女の鋭い平手打ちが、爪先が軽く俺の頬を掠めていった。

「……おいっ!いきなり、何をする!」
「それはこっちの台詞だっての!!いっいきなり抱き寄せるなんて////(…本気で心臓止まるかと思ったわ)」
「あっがさりげに動揺してる」
「うるさいっ!!」

フェンスの向こうで俺たちのやりとりを見て、愉快そうに笑う松風天馬に、ここでようやく顔を真っ赤に染め上げながら、怒鳴り散らすを見た。
しかし、この頬染め。
果たして、俺のとった行動ゆえの結果なのか、それとも怒りから来るものなのか判断しづらいため、殴られただけの進展を手に入れられたかどうかは、この時点では残念ながら読めなかった。
は天馬を散々怒鳴り散らし、しょげさせた後、俺へとようやく向き直り、鼻息荒く俺を仁王立ちで睨みつけながら、俺を蔑むような目線で彼女なりの評価を勝手に下してきた。

「はぁ〜なんていうか、今までいろんな同世代の男に口説かれてきたけど、アンタみたいなのはじめてだわ!究極の肉食系男子ってとこらしいけど…。惜しいなぁ…後3年ほど年上な外見だったら、範囲内だったんだけどねぇ」
「なんだと!ずいぶんと俺を見下した見解をしてくれるなぁ!よ!」
「悔しかったら、もっと大人の魅力身につけて来たら?そしたら、次はもうちょっと考えてあげてもいいわよ」

フンッと大きく鼻を鳴らすと、は逃げるようにして、俺の次の反論の言葉すら待たずに街中へと向かって駆けていってしまったようだ。

「ごめんな。白竜。、同世代の男の子とは免疫薄くて、あまり積極的に迫られるとパニクっちゃうんだ」
「何っ?!ということは、アイツ…少なくとも今のに脈ありと見ていいんだな?!」
「あっいや…そういう取り方されても困るんだけど…」
「そうか…なら、今回の平手打ちは大目にみてやろう」
「だから…ね?」
「松風天馬!」
「はいっ!」

いきなり声を張り上げられたことに驚いたのだろうか。
俺の呼びかけにびくっと肩を震わせながら、天馬はおそるおそる俺を見上げる。

が戻ってきたら、伝えておいてくれ」
「あー伝言ね。いいよ。聞くかどうか分からないけど」
「…また会いに来る」
「え?」
「だから、また会いに行ってやると言ってるんだ!ちゃんと伝えておけ!それと「おまえを落とすのはこの俺だ」とも言っておけ」
「……物凄い自信だね」
「フッ…。俺に落とせない女などいないからな」
「サッカーでは剣城に勝てなかったくせに?」
「………ぐっ!まあ、好きなだけほざくがいい。ちなみに剣城はをどう思ってるんだ?」
「…アイツは分からないけど、は好意的かな?」
「…剣城!絶対に負けられない展開になってきたな!」

俺は天馬にへの伝言を残すと、当初の目的さえも忘れ、その場を去るのであった。

「…そういや、白竜。なんでこんなとこ歩いてたんだろ?」
(そういえば、俺は一体なんで雷門まで来たんだったけな?)

-end-

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